『HDU情報 2021』

フィラリア感染の目安となるHDUですが、4月29日の時点で『80.8pt.』となりました。

HDUの考え方としては、その地域の温度から出した数値の累積が130を越えた日が感染の開始日となります。

今年は3月の気温上昇がいつになく早く、HDUも2013年から毎年記録をとっていますが、3月までならいままでで一番早い数値の上昇となりました。

その後は気温があまり上がらなかった期間もあり、おそらく例年通り5月10日前後での感染開始となりそうです。


フィラリアはまだ開始時期ではありませんが、ノミマダニの活動時期になっています。

先日お知らせさせていただきましたとおり、マダニではすでに4件ほどご相談がありましました。

実際に診察室でも確認済みです。

ご注意ください。


フィラリアのお薬は事前の検査が必要です。

予防の開始時期は、『感染開始から30日以内に1回目の投薬を行うのがよい』とされていますので、感染開始日となっても焦らずに検査や投薬が可能です。

HDUはフィラリアの子虫が蚊の体内で感染できるレベルまで成長するのに必要な温度を元にその地域の気温から計算しています。

僕は気象庁発表の千葉市の気温を参照して計算していますので、感染開始の時期もある程度の目安だと思っています。

あくまでその蚊が生息している環境次第で、温度変化があまりなく、蚊が生息するのに適した環境であれば、このHDUが当てはまらない可能性はあると思います。

とはいっても、さほど大きく変わるわけではないでしょうね。


ですが、先日実際にあったお話で、昨年の予防を4月から投薬していた方がいらっしゃいまして、ずいぶん早いなぁと思いましたが、フィラリアのお薬が駆虫薬(蚊の吸血時に体内に入った感染仔虫を駆除する)であることを考えれば、環境によっては5月上旬に投薬することがあったとしても、4月に投薬する必要性はまったくないと考えられます。

基本的には、『5月の下旬~6月上旬』に1回目の投薬を行い、その後きちんと月に1回、12月まで投薬していただければ十分予防が可能だと思います。

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